砂漠の便り(2)

砂漠からの便りが届きました。
今回は内モンゴルではなく、ウズベキスタンからの便りです。

5月28日、タシケント空港が砂嵐で朝から夜まで閉鎖になりました。
その頃、ウズベキスタン西部の町ヌクスでは「塩嵐」が起きていました。
砂嵐ならぬ「塩嵐」。
聞いたことはないと思います。
この影響で、町中が薄く白いガーゼをかけたようになり、町の人たちは何事が起こったのかと噂しました。
よく日本でも黄砂が飛来した際に、車の窓が黄色っぽく汚れたり、外干しした洗濯物が変色したりという被害が起こることがあります。
しかし、今回の嵐では、車の上がこのように白く汚れています。

舐めたところ、塩化カルシウム、炭酸ナトリウムあたりの味がしました。
塩害により地表面に薄く積み重なった塩類の軽いパウダー状のものが乾いた時期に大風によって舞い上がったのでしょう。
こちらでは、綿花が主な産業です。この綿花畑には大量の水を使うため、塩害が深刻化しています。
20世紀最大の環境破壊と言われているアラル海の湖水減少と塩害は、その代表的な事例と言えます。

今回の「塩嵐」も、自然からの警告ではないでしょうか。
今、砂漠化、荒漠化問題に対処しなければ、ますます深刻化して手遅れになります。
自然が発するシグナルに耳を傾け、行動を起こさなければなりません。